「最近の若いヤツらは、終業後に飲みに誘っても来ない」

 管理職世代のそんな嘆きもよく耳にするが、若者たちの気質の変化には配慮してもいいと思う。

 プロ球団の遠征先での食事は、ホテルの宴会場を借りて会場にしていることが多い。ドラゴンズでは、約1ヵ月にわたって寝食をともにする春季キャンプ中は、それを選手用と首脳陣用に分けていた。

 食事の時間くらい上司の顔を見なくてもいいだろうと考えたからだ。夕食をサッと済ませ、自室でパソコンに向かっていようが、奥さんや彼女と長電話していようが構わない。プロ野球選手は、グラウンドで結果さえ残してくれればいいのだ。

 ところが、そのグラウンド上でひ弱さを見せるようだと、「若者の気質に配慮して」などとも言っていられなくなる。

 自分の時間は一人で過ごしたいのに、グラウンド(仕事)では「どうすればいいですか」、「何か指示を出してください」、「これで間違っていませんか」という頼りなげな視線を向けてくる。

 それでは困る。自分一人で決めねばならないのだ。