性行為後に服用して妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)を一般用医薬品(スイッチOTC)として認めるべきか否かという問題について、世間の関心が高まっている。スイッチOTC化については、日本医師会は一貫して反対の立場を取っている。しかし、筆者は現場の医師として、むしろ、アフターピルはスイッチOTC化して薬局で販売すべきものであり、ネット販売さえも願っている。その背景と理由を解説する。(ナビタスクリニック内科医師・血液専門医 久住英二)
安全日などという幻想を信じていたり、膣外射精が避妊法だと勘違いしていませんか──。
“オギノ式”という妊娠法を裏返して避妊法と勘違いしている人は男女ともに多く、排卵が遅れるという日常的な出来事によって妊娠します。膣外射精したつもりでの妊娠など日常的に起きています。
そこで、皆さんに是非とも知っておいていただきたいのが「アフターピル」です。
アフターピルってなに?
性交渉後の服用で妊娠を防ぐ薬
まず、アフターピルの説明からしましょう。
アフターピルとは、性交渉後に服用することで妊娠を防ぐことができる緊急避妊薬。具体的には、ホルモンの一種であるプロゲストーゲンの働きがあるレボノルゲストレル(商品名「ノルレボ」)や、妊娠成立に必要なホルモンの働きをブロックする酢酸ウリプリスタル(商品名「 ella 」日本未承認)があります。翌朝服用することから「モーニングアフターピル」「アフターピル」「プランB」などと呼ばれています。
例えば、コンドームに穴が空いてしまった、性交渉の途中からコンドームをつけた、コンドームが外れた、酔った勢いで避妊せず性交渉した時など、女性に服用してもらうことで妊娠の可能性を84%ほど下げることができます。