米国と離れ、中国やロシアを相手に外交的な優位を保てるのか、という現実論になると、やはりある程度は日米安保が必要だとは思います。しかしソ連が崩壊した後、残念ながらわれわれは「日米安保がこのままでいいのか」という総括をしてこなかった。それは今も残念に思う。

 1970年の三島事件をきっかけに、われわれ民族派は日米安保見直しと憲法改正はワンセットで議論するべきだという考えに変わった。憲法を改正するなら日米安保も互恵平等の条約に戻すのが筋だと思う。

――しかし安倍政権は安保堅持の立場です。

 保守派の政治家の中には、日米安保を互恵平等にしようという考えを持っている人は必ずいる。しかしそれを言ってしまったら、選挙が危ない。政治は妥協の産物だから過激なことは言えない。一方でわれわれ運動家は在野にいるので、原理原則を主張しなければ存在価値がない。安保は互恵平等のものにする、反米ではなく対米。それがわれわれのスタンスです。

 今は改憲勢力が増えはしましたが、安倍晋三首相が言うまやかしの改憲論ではなく、何のための、そして誰のための改憲か、ということが置き去りにされているように感じます。

日本会議は自民党の応援団
共闘する意識は全くない

――改憲を主張する日本会議の活動をどのように見ていますか。

 私たちは日本会議とほとんど付き合いがありません。日本会議は、自民党の応援団だと思っているので。確かに(日本会議事務総長の)椛島有三さんとか、1960年代の学生運動上がりのメンバーは多い。

 一方でわれわれは、大日本愛国党とか戦前からの伝統を受け継いだ行動右翼の運動の流れをくんでいます。日本会議は「右翼団体と一緒にするな」と思っているかもしれませんが、多分われわれ民族派も日本会議に関心のある人は少ないのではないでしょうか。

 日本会議は、街宣車を走らせたり、デモを行ったりといった、いわゆる行動右翼の運動とは違う。自民党の応援団として直接的に影響力を及ぼす運動形態は大きな力になってはいると思う。ただし私たちは彼らと共闘する意識は全くない。