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共感と自発性を引き出す次代の経営【孫泰蔵】千葉・柏の葉でコミュニティーの力を発揮しているVIVITAのVIVISTOP(ヴィヴィストップ)。写真は今年3月、柏の葉で開かれた会見で撮影 Photo by Takeshi Kojima

「経営において事業計画は要らない。投資においてもそれは見ない」。僕がよくそう言うので、「では、何を見るのですか」と尋ねられます。

 僕は「起業家の情熱とユニークなテクノロジーを持っているかの2点です」と答えます。すると、たいていの人はため息をついて、「変わった人ですね……」とか「まぁ、孫さんだからできるんですよ」と話します。

 いいや、違う。これからの時代において、事業計画は作る必要がないどころか、作ったらマイナスですらあると考えます。事業計画は立てない。スケジュールも立てない。稟議もない。承認もない。やりたいならやる。これを実現させることが大切なのです。

 そもそも21世紀と20世紀の大きな違いとして、ソーシャルメディアの存在があります。

 ソーシャルメディアのおかげで、皆が良いと思うものは、あっという間に世界を駆け巡る時代になりました。ピコ太郎の「PPAP」が良い例ですが、面白いものや共感できるもの、驚くべきものについては情報が瞬時に拡散されるようになったのです。

 僕のフェイスブックへの投稿ですら、瞬く間に1万人程度に届いています。バズった(話題になった)ときには、3万人にまで達します。