今年8月、千葉・柏の葉でロボットコンテストを開きました。制限時間の5分間に、約1.8メートル四方のステージ内に置かれたボールを自作のロボットで拾い集め、その得点を競う競技です。
参加者は2日間で延べ24人。その中心は小・中学生ですが、大人のメンバーも7人参加しました。中にはソニーのエンジニアという経歴を持つ人もおり、大人も子どもも真剣勝負だったのです。
当然、大人の参加者が高得点を取りました。「これはかなわない」。会場にいた全員がそう思いかけていたところで最後、大番狂わせが起きました。
残り時間15秒を切ったときです。10歳の子どもの開発したロボットが二つのボールを拾って、逆転勝利を収めました。ブワーと鳥肌が立ちました。子どもが本気の大人たちを破り優勝を果たした。会場からも歓声が上がりました。
僕が心底感動したのには理由があります。電子工作キットを利用し、プログラミングして作ったその子のロボットには、2本の腕が付いていました。一つはボールをつかむアームで、もう一つはプロペラを回し、「ガポン」とボールを吸引するアームでした。