心臓をおさえて苦しむ男性写真はイメージです Photo:PIXTA

1935年から36年間にわたり、日本全国990以上の町村を調査した東北大学医学部の衛生学教授・近藤正二氏。その比較調査からは、70歳以上が多い「長寿村」と、逆に長寿者が少ない「短命村」が全国に存在していたことが明らかになった。両者を分けていたのは、日々の食事や働き方などの生活習慣だったという。長寿と短命を分けた意外な差とは何だったのか。※本稿は、循環器内科医の湊口信也『果物野菜で100歳を生きる』(さくら舎)の一部を抜粋・編集したものです。

36年間にわたる全国調査で見えた
「長寿村」と「短命村」の違い

 東北大学医学部の衛生学教授であった近藤正二名誉教授は、昭和10(1935)年から36年間にわたって日本全国990カ町村以上を実際に現地探訪して衛生学的比較調査研究を行い、長寿村(70歳以上が多い)と短命村(70歳以上が少ない)の特徴について調べました。その結果が記載されている本が『日本の長寿村・短命村』です。

 当時はテレビもインターネットもない時代ですので、食生活に関する情報は外部からはほとんど得ることができませんでした。各町村には古くからの食習慣が先祖代々受け継がれていましたので、各町村の食習慣について現地探訪による衛生学的比較調査研究を行うことにより、食習慣が寿命とどのような関係があるのかを明らかにしやすい時代であったのであろうという背景があるかもしれません。

 昭和10年の日本人の平均寿命が男性で46.9歳、女性で49.6歳ですから、当時としては70歳以上生きれば十分に長寿といえる時代であったので、70歳以上が多い村を長寿村、少ない村を短命村と定義していますが、現在であれば、日本人の平均寿命は男性が81.1歳、女性が87.1歳であることを考えますと、現在の100歳以上の人が多い村を長寿村とするのに匹敵するのではないかと考えられます。