時代の最先端の潮流に触れる仕掛けを作る

「あのな、社会ってな、大学の研究者が考えてる滅茶苦茶難しいことが、小さな滝を落ちていくように社会全体に届いていきながら変わっていくんや。だから、そういう時代の最先端の潮流に触れる仕掛けを作っておくことが大切なんや

「はい」

立三さんが言うには、放送大学じゃなくても、大学運営の〈生涯学習機関〉や、大学の公開講座や、アメリカの〈TED Talks〉など、社会人のための信頼できる学びの機会は、探せばいくらでもあるそうだ。

「そういうところでいろいろ学んだら、そのうちに何か新しいアイデアも出てくる。親父さんの言うように『不思議と人生につながる』ことが起こる。そんなもんや」

「なるほど」

学びは最高の自己投資なんやで。しかし、それがわかってるヤツでも、たいていの連中は忙しさを理由にやらない。やったとしても、ハッキリした効果もすぐには見えないしな。しかし、どうなるかわからん中で、それをやり始めた君は素晴らしい」

「本当ですか、ありがとうございます」

立三さんの指示に従ったまでのことだが、オレは、嬉しくなって、思わずニンマリした。

【生涯学習機関】
社会人教育のために、多くの大学が生涯学習機関を設けている。例えば、次のようなもの。
早稲田大学エクステンションセンター:http://www.ex-waseda.jp/
明治大学リバティアカデミー:https://academy.meiji.jp/

【TED Talks】
ネットを通じて行われている動画の無料配信プロジェクト。学術・エンターテインメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行う。
https://www.ted.com/talks?language=ja