ZOZOツケ払い開始1年、決済代行会社の「貸倒引当金」急増お金を払わなくても、取りあえず商品が手元に届く「ZOZOツケ払い」。ビジネスとして成立するのかどうか。Photo:スタートトゥデイのホームページより

 ファッション通販サイトのZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイが2016年11月に始めた「ツケ払い」は、代金の支払期間を最長2カ月間とするサービスで、支払い能力の低い消費者の買い過ぎや滞納を引き起こすとの懸念が開始当初から指摘されていた。

 滞納して督促を受けた、との利用者によると思われる書き込みがSNS上ではよく見られる。実際の滞納の規模は不明だが、少なくとも、スタートトゥデイに代金を立て替え払いし、利用者から回収する業務を行うGMOペイメントサービス(GMOPS)を子会社に持つGMOペイメントゲートウェイ(GMOPG)の与信関係費用が急増しているのは事実だ。

 同社の決算資料によると、17年9月期は前年同期比で、売上高、営業利益共に大幅に増加したが、流動資産に計上された貸倒引当金は、3億2788万円から23億9378万円に、未収入金も17億4261万円から146億7857万円にそれぞれ急増している。

 GMOPGの広報担当者によると、これらの増加は主にZOZOツケ払いの決済代行を始めたことによるもの。同社は、スタートトゥデイから受け取ったシステム利用料や手数料から成る売上高から原価を差し引いた粗利の全額を貸倒引当金として計上。このうち、実際に回収できた金額から販管費などのコストを除いた額がGMOPGの利益となる。