プラスチックの名刺を使う
もうひとつの理由

 名刺の話を、もう少しだけ続けさせてください。僕が、プラスチック製の名刺にしたもうひとつの理由があるのです。

 最近では気の利いたデザインや変わった形の名刺が、とても安くつくれるようになってきました。だからこそ僕は、逆にお金をかけた名刺に意味があると思っているのです。

 実際、名刺を出すと「プラスチックの名刺ですか。高いでしょう?」と言われます。たしかに紙のものよりははるかに高くつく。でも、安くつくれて当たり前の時代だからこそ、誰がどう見ても安くはない名刺に意味が出てくると思うのです。

 要するに「振り幅」です。

 もしかすると、名刺がそれなりに高価だった時代には、プラスチックの名刺にはこれほどのインパクトはなかったかもしれない。安い名刺が当たり前になってきたからこそ、より「振り幅」が出るようになったのです。