「英語嫌い」になったら、元も子もない
SLA研究からしても、「英語だけを学ぶこと」は次の2つの理由から推奨されません。
1 モティベーションが維持しづらい
2 学習効率が高まらない
まず前者のモティベーションについてお話ししましょう。
SLAの学術研究では、「外国語をマスターするためには学習の“継続”が不可欠だ」ということがわかっています(村野井、2006)。
これは、わざわざ学者に指摘されるまでもなく、本気で外国語を身につけようとした経験がある人なら、誰でも思い当たることだと思います。
僕たちは通常、母語である日本語にさらされ続けていますから、いくら英語を勉強しても、すぐに「日本語の頭」に戻ってしまいます。本当に英語を身につけたければ、脳に対して継続的に英語の刺激を与え、自分なりに英語で何かを表現する作業を繰り返す必要があるのです。
そして、一定期間にわたって学習を続けるためには、モティベーションの維持がカギになります。
いかに動機づけを工夫するかも、言語習得の重要なファクターなのです。SLAの世界でも、どんな動機づけがどんな影響をもたらすかを研究している人がいます(Dornyei、2001)。