短期集中学習で
実力を一気に伸ばす
人が何かを学ぶときには、大人、子どもに関わらず、力をグンと伸ばすのに絶好のタイミングがあり、またそれを生かすコツがあります。それは、土台となる基礎ができたところで集中学習の機会を作るということです。
こつこつと勉強してある程度の土台ができたところで短期集中的に学習をすると、その力の塊が一気に大きな伸びにつながって、学習効果を上げることができるのです。受験生の夏期講習や、社会人の新入社員研修などがそのいい例です。
この短期集中学習の一番の狙いは何かというと、脳をコントロールするところにあります。余計な事を考えない学習モードにコントロールするのです。
たとえば英語なら、英語だけを集中的に勉強して、抵抗感がなくなるまで英語漬けにします。すると目の前の課題に徐々に集中し、恥ずかしさや苦手意識などの余計な意識がなくなり完全な学習モードに入る。そうすると脳がより活性化し出すわけです。
そしてそうやって続けていくと、誰でも決まってつらくなってくる。「もう勘弁して!」と悲鳴を上げたくなるような状況が必ず訪れる。実はここからが力が大きく伸びる絶好のチャンスです。
その頃には英語に対するアレルギーや抵抗感はマヒしていますから、ここを乗り越えてなお学習を続けることで、暗記や理解の速度が格段に早まります。マラソンでも、つらいところを乗り越えるとやがてランナーズ・ハイがやってきて快感になるのと一緒です。
子どもの夏期講習の場合は、教師も一緒につきあって乗り越えさせてくれますが、大人の場合はそうはいきません。一緒に泣いてくれる人や、厳しく鞭打って付き合ってくれるような人はいないわけですから、自分で自分を追い込むことが必要です。しかしこれはなかなか難しいことですから、そうせざるを得ない、逃げられない状況に自分を置く必要があります。
たとえばスクールに通っている人は、通常のレッスンと生徒や先生を混ぜたグループトークをミックスするなどして、朝から晩まで英語漬けの日を作るのも効果的でしょう。可能であれば英語だけを話す合宿をしてもいい。会社なら研修で、個人なら集中・特訓レッスンを受けることで、英語漬けの時間を作る。少なくとも朝から晩まで実質8時間を3日間は欲しいところです。インターネットで「英語 合宿」で検索するとそういうサービスをやっている学校が出てきますので、そういうところを使ってもいいでしょう。