『1分間声トレ』著者・秋竹朋子氏と『モテるメール術』著者・白鳥マキ氏の、「声」と「メール」で仕事の成果があがるセミナーが開催されました。
「声」や「メール」のビジネス研修と聞いて、「ビジネススキルを磨くのに必要? もっと他に大事なことがあるんじゃないの?」と思われるかもしれないが、非常にニーズが高いのです。
仕事の環境が変わってきたことも関係ありますが、ビジネスはメールやSNSなどの文字を通したコミュニケーションに始まり、電話で連絡するなど、直接会う最初のアポイントメントまでの声の印象が、今後の成果につながるからです。
参加者のQ&Aを交えた、2人のトークセッションを特別レポートとしてお届けいたします。

「声」と「メール」を磨けば、ビジネスがうまくいく!

年末年始で一気に身につけたい! 成果が倍速で変わる最強のビジネススキル秋竹朋子(あきたけ・ともこ)
ビジネスボイストレーニングスクール「ビジヴォ」代表
東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業。聖徳大学大学院音楽文化研究科修了。ウィーン国立音楽大学での留学中には、ディヒラー国際音楽コンクールでの入賞など国内外での受賞歴多数。
ビジヴォの代表として、「声」「話し方」に問題を抱えるビジネスパーソンの指導を実施。
音楽家ならではの聴力と技術を駆使した、日本初「超絶対音感」によるボイストレーニングが話題を呼び、「ニュースウオッチ9」「Rの法則」(NHK)、「スッキリ!!」(日本テレビ)、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)ほか多数出演。
東京を拠点に全国各地で250社を超える企業での研修や教員研修を行い、これまで3万人以上にレッスンを実施。2011~2012年、経済産業省のグローバル人材派遣として「ビジネスボイス」が選ばれ、フィリピンに赴任、日本にとどまらずアジアにて「声」の指導をしている。

秋竹朋子(以下、秋竹) 今、ビジネスボイストレーニング「ビジヴォ」の会社を始めて10年が過ぎたのですが、「声」でビジネスの影響がずいぶん変わるということが、やっと浸透してきたと感じています。全国の金融機関やIT企業などの研修を請け負っているのですが、「声」で相手を心地よくさせるスキルが求められていますね。

白鳥マキ(以下、白鳥) 容姿で「美人」、声で「美声」があるように、その反対もありますよね。メールにも「心に届くメール」が存在します。以前、化粧品会社の飛び込み営業をやっているとき、100人いたら1人会えるかどうかの割合でした。そんな低確率なので、会社の先輩から「ドアが空いたら足を挟め」と教えられました。よく考えると、2秒でドアを開けさせるよりも、2秒で心を開くメールを送ったほうがいいかもしれないと試みたところ、訪問販売の反応が100人中3件だった反応が、100人中30人、これまでの10倍にあがりました。

 その経験が、「モテるメール術」の原点になったのですが、「アポが取れない」「メールで会いたいと伝えられない」「買ってほしいと言えない」など、多くのビジネスパーソンはそれらがうまくできていない現状があります。

秋竹 英会話とかは習うのに、確かに、メールの書き方は習わないですね。

白鳥 そうなんです。こんなに毎日メールするのに、習っている人が少ないので、だから、チャンスなんです。「正しく書く」「わかりやすく書く」「間違えないで書く」、そういう本はいっぱいあります。けれども、「感情を動かす」「会いたいと思ってもらえる」「気持ちが変わる」に関してまでは、教えてくれません。これが『モテるメール術』にあります。これらをビジネスメールにプラスするといいんです。

秋竹 メールの気遣いで変わりますしね。

白鳥 正しい伝え方ではなく、メールで心をつかむ伝え方です。

秋竹 私、2,3回読みました。

白鳥 ありがとうございます! 相手の心をつかむには感情を乗せることが大事なんですよね。「うれしいです」「たのしいです」「つらいです」「びっくりしました」など、ビジネスメールにつけるだけで、グッとわかります。「うれしい」「たのしい」がないと、声が低い人間と同じです。

秋竹 声の高さをコントロールできない人って、実はモテないんですよ。声の高さってとても大切なんですね。以前、「モテ声」を声総研というところで調査をしたのですが、日本人の男性は、比較的高い声の女性に可愛らしさというものを感じる傾向があります。たとえば、新婚や恋愛初期段階の頃は「あなたが大好き!」なんて、「ラ」(音階の「ラ」)の高い声で話していたものが、結婚して何十年もたった女性は、「あなた、ゴミ捨てといてね」と、「ド」の低い声で不愛想な声になっている女性など多かったり……(笑)。

白鳥 自分のメールやLINEなどのメッセージを自分以外の誰かに見られてないと思う人が多いと思うんですけど、それは違います。スクリーンショットを送られた経験、ないですか? これらを回避するために、誰が見てもいいメール、どこを切り取られてもいいメールを送るようにします。ですから、トラブル関係は、メールを使わず直接言ったほうがいいですね。

――普段から心がけておいたほうがいいことはありますか?

秋竹 声を録音して聞いてほしいですね。「これだと聞きとりにくいな」というのを確認してください。

 表情筋も大事。笑顔がないと損をします。第一印象は笑顔でいると、発音と発声がよくなります。声って、いいほうが断然、得をします。これは10年研修してきた今でも思います。プレゼンなどの通じ方がかなり変わりますね。これまで、「いいね」とほめられて、役職があがる人をいっぱい見てきました。

 声がよくなるということは、人生の出番が増えてくということです。聞き取りにくかったり、語尾が弱かったりする人は、二度と呼ばれないですからね。

 みなさん、言わないだけで、経営者の中に声トレをしている人が本当に多いんです。「かっこいい声に変えてくれ」というオーダーがあるくらいですから。