カフェインが脳を守る
完全無欠コーヒーを飲んでいた僕は、運動せずに1日4000キロカロリー以上の食事の脂肪を増やそうとしたときでも、瘦せた体をキープできた。なぜこんなことが可能なのか、僕は徹底的に解明しようと決心した。
コーヒーの1つ目の有益な成分は、カフェインだ。カフェインはどんな供給源から摂っても、エネルギーを高めるだけにとどまらない。脳内の炎症を防ぐことで、認知機能の衰えを軽減し、アルツハイマー病の発症リスクを低下させる。
イリノイ大学のグレゴリー・フロインド医学博士によると、「神経変性疾患に伴う脳の炎症を活性化する新しいシグナルを発見したが、カフェインがその活性化を阻害するようだ」。また、健康な人のインスリン感受性をカフェインは高める。これは持続的な減量にとって非常に重要なことだ。
どんなコーヒーを飲んでも、短期的にも長期的にも脳に影響が及ぶ。コーヒーが気分に与える短期的な効果は、セロトニンとドーパミン活性の変化によるものだろう。これに対し、気分に長期的に影響すると思われるメカニズムは、抗酸化性および抗炎症性に関連しているようだ。
コーヒーは作り方もあなたの健康とパフォーマンスに影響を及ぼす。コーヒーに含有される油脂(カーウェオールとカフェストール)は独特の強力な抗炎症性物質であり、酸化ストレスとDNAのダメージを防ぐ。フレンチプレスや金製フィルター、エスプレッソマシンなど、金属のフィルターで淹れると、これら貴重なコーヒーオイルが守られ、体内で働いてくれる。
また、コーヒーに加えるバターやオイルを、ただ混ぜるだけでなく、溶かし合わせることも大切だ。というのも、バターやオイルを溶かすとミセルという状態に分解され、脂肪をエネルギーに変換するようになるからだ。胆汁からも生成されるミセルだが、多ければ多いほど脂肪が使われやすくなる。つまり、バターをコーヒーにブレンドすることが、脂肪をエネルギー源とする体の働きを助けるのだ。
バターの包み紙をはぎ、スニッカーズみたいにかじりつつコーヒーを飲んでも、結果は同じにならない。知れたことだ──僕は実際やってみたんだから!