「孤独死」こそ理想的な最期。精神科医が教える“ピンピンコロリ”の極意写真はイメージです Photo:PIXTA

高齢者になれば生活習慣病やがん、認知症になるリスクが高まり、次第に自由に行動しにくくなるのが現実だ。老いに伴う生活の変化や死に対して我々はどのように向き合っていったらいいのだろうか。高齢者医療の第一人者・和田秀樹医師が、本当の意味での幸せな老い方を説く。※本稿は、精神科医の和田秀樹『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

認知症になっても
「今できること」を大事にしよう

 病気があっても、それを抱えたまま幸せに生きる、「病気とともに生きる」について、具体的に考えてみましょう。

 まず、「認知症とともに生きる」です。

 私たち高齢者専門の医師が、認知症の患者さんの治療やケアでいちばん大事にしているのは、いまできることを、なるべく長く続けてもらうことです。

 たとえば、料理ができる、運転ができるというのなら、それを可能なかぎり続けましょう。いまできること、つまり残存機能をいかに維持するかが重要なのです。

 認知症になると、できないことが少しずつ増えていきます。そして残念ながら、できなくなったことがふたたびできるようになる確率は、きわめて低いのも事実です。

 認知症の高齢者を介護している家族が、「先月まではこれができたのに、いまはもうできなくなった」と言って嘆くのをよく耳にしますが、できなくなったことを悩んでみてもどうにもなりません。

 残念ながら、またできるようになる可能性は低いものです。