なくなった地域の踊りを
地元高校生が復活させた

市と恊働で取り組んだ、仮設バス停待合所の空間デザイン。最初のプレゼンで市側から厳しい指摘を受けたことが、自分たちは利用する側の視点しか持っていなかったことに気づくきっかけとなった。

 こうした活動は、生徒が「地域の一員」という意識を持つきっかけになっている。今年度、「家庭科」の授業で実施された市との連携授業で、仮設バス待合所の空間デザインに取り組んだ3年生の二階堂ののかさんは、こんな気づきがあったという。

「今までは利用する側の視点だけしかなく『なんでこうなんだろう』と文句ばかりでした。しかし、私たちは公共サービスを受ける権利もありますが、同時に果たさなければならない義務もあることに気づきました」(二階堂さん)

 高校生は自らも変革を起こそう動き出した。その代表例が、「Change!~歴史を塗り替えろ」をテーマとした今年度の学校祭だ。

全校生徒による、迫力あるYOSAKOIの踊り。彼らの全力の挑戦が地域に元気を与えたという

 大規模校時代から、学校祭のメインイベントは山車を作って市内を回る仮装パレードだったが、少人数となった今ではなかなか盛り上がらない。そこで、生徒たちは「少ない人数だからこそできることは何か」を考え、かつて市民を活気づけていたYOSAKOIソーランチーム「ゆうばり寅次郎」の振り付けを復活させ、全校生徒で踊ろうと決めた。当時、生徒会長として学校祭の改革を牽引したのが、前出の二階堂さんだ。

「私たち生徒会が発足当初から目標にしていたのは、夕張高校から元気を発信していくことです。学校祭でも、市民のみなさんが元気になることをしたいと思い、みんなで知恵を絞りました」(二階堂さん)

 生徒会が中心となって「ゆうばり寅次郎」関係者を探して指導を請い、その踊りを全校生徒へ伝授。その他の学校祭準備にも追われる中、「ほんとうに全校生徒での踊りを完成できるのか」との心配を乗り越え、7月の学校祭では市内3ヵ所でYOSAKOIを披露。観覧した市民からは何度もアンコールの拍手があり、地域と高校生が一体となって盛り上がった。