トランプ米大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と承認宣言したことが、世界を揺さぶっている。背景にあるのは、自身の支持基盤のことだけを考えた「自分ファースト」だった。(朝日新聞オピニオン編集部次長兼機動特派員 尾形聡彦)
トランプのエルサレム承認宣言に
中東、欧州諸国が反発強める
トランプ米大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と承認宣言したことが、世界を揺さぶっている。
アラブ諸国では抗議活動が続き、中東や欧州諸国の首脳からの反発も強まっている。トランプ大統領は、過去のアプローチでは物事が動かなかったとして「新アプローチの始まり」を強調したが、今回の政策決定過程から見えてくるのは、「アメリカファースト」というよりも、むしろ自らの支持基盤だけを考えた「自分ファースト」という実態だ。
米トランプ政権が、世界のリーダーとは思えないような行動を取ることがより明確になりつつある中で、日本の対米外交も問われている。
「私の前任の大統領たちは、選挙戦でこの大きな約束をしながら、約束を果たさないできた。今日、私は約束を果たす」