年収850万円超の
サラリーマンが増税に
政府与党は、高額所得者を対象に、所得税を「増税」する方針を固めた。年収850万円超の会社員を対象に増税するというのである。
財政には貧富の格差を是正する役割が期待されているから、富裕層から増税すること自体に反対するつもりはないが、社会保障など全体のバランスを見渡して論じられているのか、甚だ疑問が残る。
極論のように聞こえてしまうかもしれないが、格差は必要である。格差が全くない国では、「頑張ってもサボっても所得が同じなら、サボろう」と全員が考えてしまうため、「全員が等しく貧しい国」になってしまうからだ。
かと言って、格差が大きすぎるのは問題だ。1%の超大金持ちが世界の富の半分を持っているという話も聞くが、それ以上に問題なのは、貧しいために教育が受けられず、貧困から抜け出せない人々が存在してしまうことだろう。そうした人たちに教育を受けてもらうための費用を富裕層から徴求する必要があるのだ。
では、どの程度の格差が「望ましい」のか。本来であれば、まずはそこから議論を始める必要がある。