新聞やテレビで見かける経済ニュース、ネットで飛び交う経済政策の議論、経済学の授業で学んだはずのあの理論……。私たちの身のまわりを飛び交う「経済」にまつわるお話に、ふとこんな疑問を感じたことはないでしょうか?
「どうして、経済学や経済のオハナシは難しく見えるの?」
「エコノミストの人が何を言っているのかよくわからないんだけど、自分だけ?」
需要と供給から、金利、インフレ、GDP、為替レート、金融バブル、行動経済学まで、いざその意味を考えると「何だっけ?」となるような言葉ばかり……。そんな疑問を解消すべく刊行された新刊『1分間で経済学』は、いま知っておくべき最重要単語を200網羅し、そのすべてを「見開き1ページ+図解」した、まさに最強の入門書。今回は同書より、昨今話題の「マイナス金利」……ではなく、そもそも「金利」とは何かについての解説をご紹介します。

金利――Interest rates

 利息は、債券などの金融資産を持つ者に支払われる。金利は貨幣の需要と供給で決まる。金利が高ければ、人々は利息を支払う金融資産を購入し、貨幣を持ちたがらない。

マイナス金利の影響が……っていうけど、そもそも「金利」って何なの?マイナス金利政策は経済を刺激するために行われているというが……

 一方、国民所得が大きければ、取引のために必要な貨幣の額も大きくなる。中央銀行がマネーサプライを一定水準に固定したとする。短期金融市場が落ち着くのは貨幣需要が貨幣供給と一致するときであり、そうなるためには、金利が動いて、人々が保有したい貨幣の額と中央銀行が供給する貨幣の額が一致する水準にたどり着かなければならない。

 次に、中央銀行が経済に貨幣をあふれさせたとする。国民所得が変わらなければ、取引のためにそんなに貨幣は必要でない。それまでの金利では人々は増えた分の貨幣を全部持ちたいとは思わない。貨幣を持つ気にさせるには金利は下がらないといけない。それで債券の魅力が下がり、人々が増えた分の貨幣を持つ気になり、市場での需給は再び一致する。