■インフレに減速の兆し! H株は20%上昇する

 その手掛かりとなるのが、インフレ率の低下である。中国の消費者物価上昇率(CPI)は昨年10月以来、4~6%台の高水準で推移してきたが、9月に入ってようやく減速の兆しが表れた。これを受けて金融政策のスタンスは引き締めから中立に移行、現在は緩和のタイミングを計っている状況だ。

 「経済成長率の鈍化も12年第1四半期には底を打つと予想しています。これらのプラス要因を織込み、中国株は年初から緩やかに上昇する可能性が高まっています」(服部さん)

 野村證券は、12年のH株指数(香港上場の中国本土株の主要インデックス)は9000~1万4000ポイントで推移すると予想。ただし、人件費の上昇などからインフレ率が高止まりするリスクには注意が必要である。

■国家主席交代に向けての財政出動にも期待が!

 とはいえ、来年後半の国家主席交代を華々しく演出するため、中国の成長加速への市場の期待も高まりそうだ。「先進国と違って債務残高の対GDP(国内総生産)比率が低い中国は、財政出動余地が十分にあります。党大会に向けて、財政で緩やかに景気を刺激しながら成長を支えていくはずです」(服部さん)。


<お話を聞いたのは>
服部哲郎さん
野村證券投資情報部グローバル情報課課長。投資調査部、英国野村證券で欧州株ストラテジストを経て、2009年より投資情報部。現在、外国株式全般を担当。


(取材・文/渡辺賢一)


ダイヤモンド・ザイ2012年1月号に掲載。第1特集では、2012年の世界の株&日本株を大予測! 7大投資先のシナリオ&天気図を図解解説します。ほかにもジム・ロジャーズが語る「次の投資先」、ネット証券サービス比較など盛りだくさんの内容です。