新聞やテレビで見かける経済ニュース、ネットで飛び交う経済政策の議論、経済学の授業で学んだはずのあの理論……。私たちの身のまわりを飛び交う「経済」にまつわるお話に、ふとこんな疑問を感じたことはないでしょうか?
「どうして、経済学や経済のオハナシは難しく見えるの?」
「エコノミストの人が何を言っているのかよくわからないんだけど、自分だけ?」
需要と供給から、金利、インフレ、GDP、為替レート、金融バブル、行動経済学まで、いざその意味を考えると「何だっけ?」となるような言葉ばかり……。そんな疑問を解消すべく刊行された新刊『1分間で経済学』は、いま知っておくべき最重要単語を200網羅し、そのすべてを「見開き1ページ+図解」した、まさに最強の入門書。今回は同書より、経済を語るうえで欠かせないGDPとはそもそも何なのかについての解説をご紹介します。
GDPとその要素
――GDP and its components
国内総生産(GDP)は、国の所得を測る重要な指標だ。
GDPは一定の期間に国内で生産されたすべての財やサービスの価値を合計したものである。全体でのGDPが大きい国でも、人口がとても多ければ貧しい国とみなされることもある。だから生活水準を示す指標としては、1人当たりのGDP(GDPを人口で割ったもの)が重要だ。この指標は、大まかに、個人が消費した財やサービスの量を示す。
GDPはさまざまな支出に分割される。消費、投資、それに政府が購入した財やサービスなどだ。取引では、必ず買い手が売り手にお金を払っている。だからGDPはいくつかの所得にも分割できる。企業が財やサービスを生産するときに支払われる所得で、賃金や利益がそうだ。
経済学者は、GDPを絶対水準や(国同士の間の)相対水準で見るほかに、成長率、つまり生活水準がどんな速さで上昇しているかも見ている。