「購入価格+金利総額-ローン控除」を計算した値だけのグラフにすると、以下のようになる。単価が対前年比5.9%高騰したこともあり、2017年はリーマンショック前の2007~08年を越えて、過去20年で最高値となった。

 この水準は相対的にかなり高いと言わざるを得ない。なぜなら、21世紀になってからの16年間は総じて価格が上昇基調だったので、2007~08年に購入した人が含み損を出している確率が最も高く、それ以外の年に購入した人は過半数が含み益を出しているという実績があるからだ。つまり、2017年は正直なところ「買い時」とは言い難かったが、価格が下がらなければ、この金額を受け入れるしかない。

◆図2:都区部マンション購入環境の推移

(出典)不動産経済研究所などよりスタイルアクト作成 拡大画像表示

 来年は金利が据え置きの確率が高く、税制も変わらないので、価格だけが変動要因になる。2017年の上半期を越える可能性もあり、大損しそうにない適性な価格であるかの判断を確認しておく必要性が非常に高くなっている。

 その判定の方法は周辺の築浅中古価格との比較でしか判断できない。そこから想定した新築の適正価格にしたものが、スタイルアクトが運営する「住まいサーフィン」上の「沖式新築時価」になるので、参考にしてほしい。不動産は高値づかみしたら、二度と売却(引越)できなくなるリスクがあるので、気をつけなければならない。そのリスクはかなり高まってきたと認識した方がいい。

新築も中古も急ピッチで価格上昇
データが顕著に示す売れ行き悪化

 アベノミクス前の2012年と比較して、新築価格も中古価格もかなり急ピッチに高くなった。価格を指数化すると以下のグラフのようになる。新築も中古もここ数年上昇を続けているが、その伸びは鈍化し始めている。

◆図3:首都圏新築・中古価格指数

(出典)スタイルアクト作成 拡大画像表示

 価格が高騰すると、販売する戸数は少なくなる。単純に売れ行きは悪化する。「分譲価格×供給戸数=販売総額」となり、これが新築分譲マンションの市場規模になる。現状の首都圏の市場規模は約2兆円で、価格が上がった分だけ供給が減るのはこれまでも起こってきたことである。2017年1-10月の首都圏の平均分譲価格が5.7%上昇し、在庫は増える結果になっている。

 新築マンションの売れ行きを表す指標として、デベロッパー申告の在庫戸数の合計が毎月発表されているが、これは実態をうまく説明できていないことが多い。その理由は、自己申告自体が販売現場の都合に左右され、正確ではないからに他ならない。

 そこで、筆者は新たな数字をつくって、売れ行きを判断している。その数値は、分譲マンションとして着工した戸数から売り出した供給戸数を引いて算出する。分譲は着工後数ヵ月で行われることが多いので、この2つの数字には深い関係があるが、売れ行きが悪くなると着工しても分譲できなくなり、数値が上昇し、売れ行きが良くなると下落する。