即座に、人脈ネットワークをフル動員して、同時通訳者を確保して胸をなで下ろしたところ、今度は同時通訳を聞くレシーバーなどが確保できないという致命的な問題が起きた。とにかく、この種の信じられないトラブルがあまりも多すぎた。

 しかし、それでもさまざまな準備をしていたおかげで、参加者全員がこの種のトラブルに動揺しなかった。密かに組んでおいた私的な海南視察プランに舵を切り替えたからだ。いろいろとトラブルはあったものの、同行してくれた日系企業の関係者たちの理解と協力もあって、それなりの収穫が得られた出張となった。その一部をここに披露したい。

新華僑系の企業と
顧客の日系企業が交流

 海南に「ニューコン」というIT企業がある。本社は東京にある新華僑系の企業だが、2004年に安い人件費を評価して海南に進出した。そのニューコンの海南進出にNECも出資したということで、間接的ではあるが、当時、日本を代表する企業の海南進出第一号として大きく報道された。

 ニューコンの顧客に、一般財団法人日本気象協会という機構がある。これまでニューコン側は、何回も日本気象協会関係者の海南視察を要請しているが、距離が遠いこともあり、実現できていなかった。そんな事情を知った私は、現地に到着した初日の空き時間帯を利用して、日本気象協会の関係者を連れて海南ニューコンを訪問し、交流の機会を作った。しかも、日本気象協会の海外事業担当責任者も参加したのだ。

 さらに、海南ニューコンの責任者に、日本語ができる人材など、翌日のフォーラムで恐らく必要となる人的支援も頼んだ。もし、そうした予防策を取っておかなかったら、フォーラムの参加者たちは惨めな思いをしただろう。

 普段あまり行く機会のない海南に来た以上、せっかくなので、体験を通じて地元の経済事情などを理解してもらおうと、私的なイベントを企画、時間を見て相次いで実施した。