聞きつけた農業関係者が
遠くから駆けつけビジネスを要望

 このうち海口市では、森林客桟という民宿型ホテルを訪問した。台風で倒れた大木やヤシの殻、海岸沿いにある貝殻などを利用し、海南らしさを演出したホテルの玄関を通ったときから、観光業に力を入れる地元の人々の努力ぶりを体感できた。

 ホテルの廊下には、無料の果物やアイスクリームのほか、従業員の手作りによる地元のスナック類などが提供されていた。頼んだ名物料理の海鮮粥も評判の通り、非常に美味しく、みんな満足していた。「2017年最も評価された客桟・民宿」に選ばれた理由もなんとなく納得できた。

 私たちの訪問の情報をキャッチした、地元の農業関係者らも駆けつけてくれた。例えば、「海南天涯駅站」という観光開発会社の裴漫玲社長が、120キロメートルも離れた白沙リー族自治県から車を飛ばして会いに来てくれた。80キロメートル離れた瓊海長坡鎮から駆けつけた青年、李会革さんもなかなかの人物だ。

 2008年、海南大学コンピュータ専攻を卒業した李青年はネット販売を手掛け、地鶏のタマゴや鶏屎藤(日本語名はヘクソカズラ)などで作ったスナック類など、特産品を中国各地に売り込んでいる。

 こうした地域おこしに取り組んでいる"達人"たちとの交流を通じ、非常に重要なヒントをいくつも得た。同時に、森林客桟のオーナーである馮清雄さんが、地元の人々から深く信用されていることも印象に残った。

 例えば、私たちが農業分野でAIやロボットの活用を考え、製品を開発しているといった話を聞いた李青年は、すぐに「ぜひ水芹収穫用のロボットを開発してほしい」と提案した。私の戸惑った表情を見た彼は、携帯電話に保存されているおびただしい写真を見せながら、夢中で私たち一行を説得し始めた。

「ほら、水芹の栽培も収穫も大変なんだよ。女性たちが水に浸って作業している。栽培面積も広いから、その作業をやってくれるロボットがあれば、絶対に歓迎される」