第一生命が行った最新の「大人になったらなりたいもの」調査結果によると、男子小学生の憧れる職業の第1位「サッカー選手」、第2位「学者・博士」に続く堂々の第3位は「警察官・刑事」。では、実際に警察官になるためにはどの大学を選ぶべきなのか。一般的な知名度は高くないが、全国トップの警察官合格率を誇るのが日本文化大学だ。同校が警察官の就職に強い理由をAERAムック「就職力で選ぶ大学」(朝日新聞出版刊)より、抜粋してお届けする。
緑豊かな東京都八王子市にある日本文化大学は、法学部のみの小規模な単科大学だ。一般的な知名度は高いとはいえないが、「公務員、とりわけ警察官の就職に強い」と、注目を集めている。
2016年度は、卒業生約200人の56%にあたる112人が公務員試験に合格。そのほとんどが警察官で、合格率は全国トップを誇る。実は大学側が公務員にターゲットをしぼった対策を打ち出してきたわけではなく、15年ほど前から自然発生的に志望者が増えたのだという。学生支援室の奥村卓石氏(法学部特任教授)はこう話す。
「本学は人を思いやることを建学の精神に掲げ、法学に特化した教育を行ってきました。そうした教育方針が、法を守り、市民のために働く公務員、とりわけ警察官になりたいという学生を増やすことにつながったのではないでしょうか」
大学も志望者が増えたことで、対策講座などの取り組みを強化した。そのひとつが1年次から始まる「キャリアマネジメント」だ。公務員の筆記試験は基礎的な人文科学から社会科学の範囲まで広範に出題されるため、1年生で基礎、2年生で教養力と応用、3年生で実践というスケジュールを組んで対応する。選択科目にもかかわらず、7割以上の学生が受講する人気講座だという。