金価格の高騰と金取引の特殊性から
裏社会で続く金ビジネスのトレンド

 当然、事件が頻発していることによって、警察当局の目も厳しくなっているのは想像に難くないが、それでも裏社会では「金ビジネスのトレンドは続いている」(暴力団関係者)という。

 一体なぜなのか。

 巷間よく言われているのが、金価格の高値安定と、日本での金取引の特殊事情だ。

 金には国際価格があり、値段は共通だ。しかし、海外から日本に持ち込む場合、消費税分の8%の納付が求められる。国内での売却時にも同様に上積みされるため、税関を通さずに国内に持ち込めば納付しなかった消費税分がそのまま「利ざや」になるというわけだ。

 一方、1980年代に2000〜3000円台で推移していた金の価格は、ここ10年あまりで一気に上昇。2000年に1014円にまで落ち込んだものの、その後は右肩上がりに上昇を続け、2011年にはついに4000円台を突破。昨年は4396円の値をつけた。

 金価格の急騰は、社会不安を招く大事件と時期を同じくするとの指摘もある。

 前年の1.5倍近くに当たる2287円にまで金価格が爆騰した2006年の翌年には、米国でサブプライムローン問題が発覚。2008年のリーマンショックにつながり、金融危機の波が世界の市場を覆った。

 業界関係者は、「テロへの不安、ドルを始めとする通貨資産に対する不信感が広がるたびに、投資マネーは現物資産である金に流れていった」と語る。

 ただし、こうした背景事情だけで、裏社会で金がこれほどまでに大きなマーケットに成長したことを説明することはできない。