入院直後から落ち着きを失った次男
そして約1週間後、心肺急停止状態に…

「入院ですね」

 主治医は、そう告げた。

 家に引き返すと、すぐに次男を連れて行った。本人もすでに入院することを決めていたようで、CDをMDに落として、バスケット一杯に用意していた。

「入院はそんなに長くかからないよ。相部屋でいいな」 

 そんな主治医の言葉に、Aさんはホッとした。

 次男もこう答えていた。

「わかりました。先生のいうことは何でも聞きます」

 こうして18日の午前11時ごろ、病院の相部屋に入った。

「早く帰るから」

 別れ際、次男はそう言った。

 夜10時ごろ、こっそり公衆電話から電話をかけてきた。後で気づいたのだが、入院当初から電話の制限がかかっていたのである。一般的に、個人の意志を制限するわけだから、家族の意向を踏まえることなく、いきなり電話制限することはあまりない。

「他にも、CDを聞いてはいけないと言われて、相当参っていたみたいで…」

 すぐに帰ってくると思っていた母親は泣きだした。

「お母さん、泣かないで、大丈夫だから」 

 入院2日目、妻が面会に行くと、すでに様子がおかしいことに気づいた。どこか落ち着きがなかった。