ということは「健全な」の意味するところは後者である可能性が高く、それでは民進党の“右寄り集団”と言われる希望の党と何ら変わりがないということになるのではないか。

 否、希望の党の玉木代表は現行の安保法制を廃止とは言わないが改正の可能性については明言しており、実際にそういうことになれば、立憲民主党は希望の党よりも自民党寄りであるということになる可能性すらある。そもそも立憲民主党に集まった議員、少なくとも連続当選2期目以上の議員は安保法制の審議において反対の論陣を張り、採決においては反対した議員たちである。それがどうしてこのような基本政策の内容となったのであろうか。当然支持者や支援者から説明を求められることになるが、ブレたとの批判は免れ得まい。

 それ以前に、何かそうしなければならない理由があったのか、近い将来を見据えてのことなのか(なお、「立憲民主党基本政策」には、他にも立憲民主党の結党の理念や衆院選での主張を踏まえると合点のいかない内容が散見されるが、それらについての具体的な分析は別の機会とすることとし、本稿ではこれ以上立ち入ることをしない)。

 以上、行財政改革と外交・安全保障に関する項目を事例に、立憲民主党の綱領から想定される同党の現状と今後について考察してきたが、そこから透けて見えてくるのは、党の重要方針等の決定において妥協や玉虫色の解決が求められる、一枚岩ではない、不規則なモザイク構造の立憲民主党の姿ではないか。

 キワモノ、イロモノとまで言われる民進党離党者が新たに入ってきたことで、そのモザイク構造にヒビが入り始める日はそう遠くはないかもしれない。

 野党第一党として狙い撃ちされやすい立憲民主党、通常国会開会を待たずして、既に正念場か。

(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)