高齢者からむしり取った後
さらにリバースモーゲージを提案

 彼らが悪質なのは、こういった詐欺まがいのビジネスを、振り込め詐欺のスキームを応用して行なっているということだ。A氏自ら「単純に電話がインターフォンに変わっただけ」と言うように、「かけ子」と呼ばれていたメンバーが営業マンとなり、“劇場型”で様々な業者が次々と高齢者をたたみかけて洗脳し、ハンコを押させる。

「ターゲットは、振り込め詐欺と一緒で独居老人。とにかく懐に入り込むことが大事で、茶飲み友達でもなんでもいいから仲良くなる。孫と同じ年頃で困ったふりをする“泣きつき型”が得意なやつもいるけど、そうしたテクニックも振り込め詐欺のまんまなんだよね」

 給与形態も、振り込め詐欺と同じく完全出来高制で支払われ、1000万円プレーヤーも少なくないという。

「今立ち上げようとしている事業は、タケノコの皮を剥ぐようにむしり取った結果、カネがなくなった高齢者にリバースモーゲージを提案するビジネス。つまり、“年金”をエサに、家まで奪い取って荒稼ぎしているビジネスさ。これがはやっているんだよ」

 リバースモーゲージとは、自宅(持ち家)を担保にして、住み続けながらまるで年金のように、金融機関から毎月融資を受けられるシニア層向けの制度。死亡後は自宅を売却して、その代金を融資の返済に充てるという仕組みになっているのだが…。

「リバースモーゲージは、公的な機関やメガバンクでも扱っているから、高齢者を信用させやすい。特に郊外には空き家が増えてきているし、今が狙い目ですね」

 そう語るのは、40代のB氏。彼もかつて、振り込め詐欺グループの一員だったが、1年ほど前にリバースモーゲージ業に“転職”した。

「僕がやっていた振り込め詐欺は、未公開株などの投資系(「上場すれば値上がり確実」などと偽って株券を売りつけ、配当を渡さずに姿を消す詐欺)だったんですが、リバースモーゲージも手口は同じなんです。“劇場型”で、仲間たちが違う信託会社の名義で次々に老人宅に訪問し、『ウチならもっと高い融資が受けられますよ』って営業をかけて、その気になっているうちに契約を交わしてしまうんです」