郊外型の詐欺が拡大の背景に
詐欺集団の「中年化」

 振り込め詐欺に代わって広がりつつある郊外型の「ピンポン詐欺」。その背景の一つには、詐欺集団の「中年化」がある。

 振り込め詐欺は2000年代初頭から流行し、若者層を中心に手を染める者が増えたが、第一世代は現在すでに30代後半から40代。詐欺犯といえども普段は一般人のように過ごし、家庭を築いている人間も少なくない。

 前出のA氏も30代後半になり、「振り込め詐欺時代より収入は減ったけど、リスクを取りたくないから“ピンポン”をやっている」と語る。

「リフォームも、遺品整理もグレーなビジネスだけど、訴えられなければ詐欺じゃないし、逮捕される可能性も少ない。振り込め詐欺は刑が重くなって1回捕まると10年以上のロング(長期刑)が確実。刑務所を出たら50歳近くになるわけで、さすがにそこから人生やり直せないからね」

 逆に、振り込め詐欺時代より年収がアップしたというB氏は、4年前に詐欺業界から足を洗った過去があるという。詐欺時代に貯めた資金で飲食関係の会社を立ち上げたが、2年で倒産。結局また詐欺業界に舞い戻ってきた。

「詐欺からホワイトの事業を立ち上げて成功した人間なんて、ほんの一部だと思いますよ。僕の場合もそうだけど、みんな楽して稼ぐのが染み付いちゃってるから、うまくいかないんです。かといって、今さらサラリーマンになれるわけでもないし、ヤクザなんてもっと務まらない。自分にやれることを考えたら、高齢者相手の似たようなビジネスしか思い当たらないんです」

 さながら、セカンドキャリアを憂うようにB氏は語る。

 高齢化する日本社会の中で生まれた、振り込め詐欺という時代の鬼っ子。手口は変われども、次から次へと新しいタイプの詐欺が生まれ、この先も完全に撲滅することは難しいだろう。高齢化率は、今後30年で現在の20%から40%にまで達すると予想されているが、もしかしたら「高齢者が高齢者をだます」ような時代が将来やってくるのかもしれない。