龍馬も認めた
西郷の「〇〇力」

 1866年、坂本龍馬が姉の乙女(おとめ)に手紙を送りました。
 この手紙には、龍馬の妻のお龍との恋愛話などが書かれています。
 龍馬ファンなら、その内容を一度は聞いたことがあるでしょう。
 しかし、今回のお話で肝心なのが、その手紙の最後の部分です。
 ここには西郷のことが書かれているのを、あなたはご存知でしょうか?

 その内容は、

「幕府と薩長が戦争になった際、(龍馬の)妻を西郷家に預けておけば、心配なしに自由に働くことができる」

 と乙女に訴えている内容だったのです。
 この手紙の中身を見ると、あの龍馬も西郷には絶大なる信頼を寄せていたことがわかります。

「大地の二黒」は人望を集めます。それは、「心が広くて深い」という二黒としての特性が大きく影響しています。

 龍馬は、薩長の仲を取り持ったときにも、西郷の懐の広さを高く評価していました。鹿児島に学校をつくり、若者たちの育成に力を注いだ西郷は、まさに「大地の二黒」としての“包容力”を無意識のうちに武器としていたのでしょう。