当面は持続だが反転に注意

2018年の経済は2つの「反転」リスクが大きい

 2017年の世界経済は、先進国を中心とした量的金融緩和に加え、米国と中国による景気刺激策が新興国経済を刺激し、日本経済を含む世界経済は概ね好調に推移した。

 2018年も牽引役を担う米国経済は、トランプの連邦法人税引き下げの効果やインフラ投資などその他の政策の効果と、加えて中間選挙を控えさらなる景気刺激策が予想されるなど堅調だろう。

 さらに当面は世界同時好況が続き、世界経済は概ね好調に推移するものと考える。日本企業・経済もその恩恵にあやかれるだろう。しかし、経済と金融市場の反転、そして、そのスイッチを入れる懸念材料もあり、十分な注意が必要である。

「経済の反転」とは、(1)金融政策の反転と、(2)中国経済の成長低下であり、「金融市場の反転」とは(A)国内金融市場の下落、および(B)資金の逆流(通貨危機)である。また、これらのスイッチを入れる可能性のある多数の「地政学リスク」がある。さらにビットコイン等の「仮想通貨」の過激な動きにも注意を払わなくてはならない。

 安定した市場は永続しないものであり、用心に越したことはない。賢い投資家は最高値と最安値を狙わないものである。じりじりと上がり続ける金融市場こそ、“甘え”が芽生え、乱調になると大きく落ちるのである。