JDIは今期の最終損益予想を公表していないが、売上高が15~25%減少する見込みで、構造改革費用として1700億円を計上する計画だ。足元の営業赤字を勘案すれば、最終赤字は2000億円規模になる可能性がある。

 さらにJDIを苦しめているのが資金繰りだ(図(2))。12年以降、能美工場(石川県)、茂原工場(千葉県)、白山工場(石川県)と相次ぎ1000億~2000億円級の新工場を稼働させたのが負担となり、フリーキャッシュフロー(FCF)の赤字が続いている。

 特に、JDIのFCFで見逃せないのが「前受け金」。工場建設のために顧客が立て替えた資金のことで、産業革新機構の2000億円の出資で建設した茂原工場を除き、能美工場と白山工場はアップルの前受け金で建設されている。

 前受け金は、JDIが工場の操業開始とともに製品納入との差額を返済する。その残高は16年6月末に1919億円に達した。今期の返済額は総額500億円強で、営業キャッシュフローを圧迫している。

 ただJDIは、この前受け金を17年度上期から「長期性負債と見なす」として財務キャッシュフローの項目に移し替えて説明している。これで見掛け上の営業キャッシュフローは黒字化するが、資金流出に変わりはない。

 苦しい資金繰りを改善するには売り上げを伸ばすしかない。

 顧客別売上高(図(3))の「欧米」は主にアップルを指すが、17年度第2四半期は、iPhoneXの有機ELパネルの需要がそれほど伸びず、JDIの液晶売り上げの減少は比較的軽かった。

 だが、17年度第3四半期以降は予断を許さず、アップル向けも中国向けも厳しくなる見通しだ。

 JDIは、17年8月に革新機構の債務保証で銀行から1070億円の融資枠を期限1年で確保。これで目先の資金繰りは乗り切ったが、売り上げ減が続けば、再び資金繰り危機に陥る恐れがある。