スズキ快進撃、「百年の大計」に向けた生き残り戦略は本物かスズキ・クロスビー Photo:SUZUKI

 2017年末、スズキの新車発表は新型「クロスビー」(X BEE)で有終の美を飾った。クリスマスの12月25日に発表されたクロスビーは1.0L直噴ターボエンジンとマイルドハイブリッド(HV)機構を初めて組み合わせ標準装備。1.5L自然吸気エンジン並みの馬力が出る小型リッターカークラス初のクロスオーバーワゴンで、発表以来、評価が高い。

 スズキは、この新型クロスビーの発表直前の12月14日に、スーパーハイトワゴンの新型「スペーシア」「スペーシアカスタム」の発表を行っている。

「スペーシア」「スペーシアカスタム」でも軽ジャンルで人気のホンダN-BOX対抗を明確に打ち出したように、軽自動車、小型車の両分野ともに、2018年初荷セールからスタートダッシュしようと強い意気込みを見せたのだ。

「百年の大計」に向けた
スズキの生き残り戦略とは

 スズキといえば「軽自動車の雄」。カリスマ経営者・鈴木修会長の強力なリーダシップの下、インドへの早期進出により、今では現地で新車販売の2台に1台を占めるほど圧倒的なシェアトップとなり、存在感を高めてきたのである。

 百年に一度の自動車大転換期の中で、スズキは2020年に法人設立(当時は鈴木式織機株式会社)から100周年を迎える。日本の自動車メーカーとして100年企業はスズキが最も早いが、この「百年の大計」に向けた生き残り戦略と、鈴木修氏から俊宏体制への移行が本格的になってきている。

 昨年はトヨタとの業務提携がEV協業で具体化し、他の先進技術イノベーションでもトヨタグループとの協力関係によって生き抜く方針を明確にした。