それが、スマートフォンの登場で『スマホと車載器、さらにクラウドとの連携(コネクテッドカー)』を皮切りに、米半導体大手のエヌビディアと独アウディが仕掛けた『自動運転コンセプト』を契機に、2010年代に入ると欧米日韓の自動車メーカーがこぞってCESに出展。会場の正面入り口の左側にあるノースホール内は、まるでモーターショーのような雰囲気になっていった。

トヨタが攻勢をかける新戦略の課題は「脱・技術優先主義」だ昨年12月、トヨタとEVバッテリー協業を発表したパナソニックは小型EV向けの電動ユニットを世界初出展 Photo by Kenji Momota

 日系メーカーは昨年から、トヨタ・日産・ホンダのビック3がCES揃い踏み。一方で、CESをマーケティング戦略の主要舞台として活用してきたアウディは、日系ビック3と入れ替わるように昨年で撤退している。

 アウディを追って参加した独フォルクスワーゲングループもすでに撤退。ダイムラーはメルセデスベンツとスマートでの出展を今年も続けたが、技術展示はほとんどなく、プレゼンブースでは冒険家によるトークショーを行うなど、『モノ中心ではなく、人中心のモビリティ社会』といった啓蒙活動(=マーケティング)に転じた。

 毎年CESを取材してきた私からすると、今年のCESは、京都八坂神社の祇園祭が語源とされる『後の祭り』に見えた。

 自動車分野以外では、近年のCESでブームとなった、3Dプリンター、ウェアラブル、ドローン、VR・ARといった分野にも『後の祭り』な雰囲気が強く、CES全体として『ネタ薄』だった。

矢継ぎ早の攻勢
次世代自動車産業の主役を狙うトヨタ

 こうした『後の祭り』の中で、大きな注目を集めたのが、トヨタが世界初発表した、モビリティサービス専用EVの『e-Paletteコンセプト』だ。全長4800mm×全幅2000mm×全高2250mmの大きなボックス状の車体で、前後にそれぞれ4輪、合計8輪のEVだ。