2011年は東日本大震災、円高、ユーロ危機、タイの大洪水と、日本にとっては内外ともに災厄多き年だった。12年はそれ以上に不確実性、不安定性が高まる年となりそうだ、何しろ世界は政治の季節に突入する。1月の台湾総統選に始まり、露、仏、米、韓では大統領選、中国でも政権交代が行われる。北朝鮮情勢も不安材料だ。そうした状況下、12年を予想する上で、何がポイントになるのか。経営者、識者の方々に、アンケートをお願いし、5つののポイントを挙げてもらった。第5回は、バークレイズ・キャピタル証券の森田京平・チーフエコノミストである。
①消費増税準備法案の国会提出(3月)と
民主党代表選(9月)
2012年の景気循環を展望したとき、復旧・復興など公的需要が具体化するタイミングを見定めなくてはならない。公的需要がスムーズに具体化すれば、2012年4~6月期から数四半期にわたって日本の実質GDP成長率が米国を上回る可能性もある。
しかし、消費税率引き上げや民主党代表選に絡んで政治が政策から政局に移ってしまうと、公的需要の具体化も遅れるリスクがある。
②ESM(欧州安定メカニズム)の設立(7月)
グローバル経済を考える上で、2012年も欧州から目が離せない。欧州財政問題への対応が進んでいると市場が認識するには、2012年7月にESMがしっかりと設立されることが必要。