三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズは、他社が信託報酬率を下げたら、業界最低水準まで追随して値下げすることを宣言しており、これまでにも引き下げを行ってきた。eMAXISのシリーズ全体では、同じ運用内容で販路によって手数料が異なる商品が複数あることになるが、リテラシーの高い投資家が低コスト商品を選ぶことができるのは結構なことだ。

 ひふみ投信は、主に国内株式に投資するアクティブ・ファンドで現在、一般にも広く人気を博している。

 筆者は、アクティブファンドに対して二つの思いを持っている。今後の運用成績がいいアクティブファンドを見分ける方法はないので、他人にアドバイスする場合にアクティブファンドを勧めることは適切ではないと強く思う一方、アクティブファンドが人気を集めると運用業界がにぎやかになるので応援したいという心情もある。

 7位の「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」は、新興国株式に投資するファンドでありながら信託報酬率が19ベイシスポイント(税抜き。1ベイシスポイントは0.01%)という低コストな商品だ。eMAXIS Slimシリーズの強みが表れている。

 8位の「たわらノーロード先進国株式」は、iDeCo(個人型確定拠出年金)、つみたてNISAなどでも各所で採用されている低コストファンドだが、このファンドも信託報酬率の引き下げが評価された。  9位の「バンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)」は例年人気を集めるファンドだが、今年は同内容の運用を行う1位の楽天・全世界株式インデックス・ファンドと票が分かれて9位となった。

 海外市場に上場されているETFだが、小型株、新興国株も含む世界の株式に広く投資できて、経費率が年間11ベイシスポイントの商品内容は引き続き魅力的だ。経費率は、ファンドの運用資産拡大と共に下落する仕組みなので、さらに引き下がる可能性がある(その場合、1位の楽天のファンドにも反映する)。

つみたてNISAの政策効果

 今回の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」の投票動向は、「低コストへの高評価」と「つみたてNISAの影響」の2点に集約できる。

 つみたてNISAの影響で象徴的なのは、10位の「iFREE S&P500インデックス」だ。このファンドは、金融庁が一般投資家を呼んで開催したつみたてNISAの意見交換会に出席したある投資家が、「S&P500に連動する投信がつみたてNISA用に欲しい」と要望したところ、大和証券投資信託委託が「前向きに検討しましょう」と言って、ほどなく設定した商品だ。