なぜ非ユーロ圏の参加が
求められたのか?

(1)ユーロ危機の背景は放漫財政と金融バブル

 まず、今回のユーロ危機は、ユーロ圏のギリシャ、ポルトガルが、社会保障など歳出が膨張したのを、外国からの借金により賄ってきたことにより、財政赤字や対外債務が膨れ上がり、市場の信用を失った結果、国債の金利が急上昇(債券価格は暴落)し、利払いや新たな借り入れ、借り換えに困難を来たしたことに発している。

 他方、アイルランドは、積極的外資導入により高付加価値の輸出産業誘致に成功し、健全財政を誇っていたが、ユーロの低金利もあって景気が過熱し、不動産バブルが進行していた。そこへリーマンショックが起きてバブルが崩壊し、政府は銀行救済のため公的資金を注入したが、同国銀行は政府の見立てをはるかに超える底なし沼の不良債権を有していたため、政府財政が大幅に悪化したものである。

(2)通貨統一による経済調整機能の制約と危機波及のおそれ

 国家も、借金返済ができない場合には、債務破綻(返済不能で債権が不良になる)に陥る(ロシアやアルゼンチンの例)。一つの対処方法は、大幅な歳出削減を行いつつ、国際機関や他国からのつなぎの金融支援を得ることで、時間を買い、その間競争力を回復させ、やがて得られた支援(借金)の返済をするという方法である。通常は、この間に通貨が切り下がることによっても競争力が回復される。

 しかし、ユーロという統一通貨は、ドイツやフランスを含むユーロ圏全体の経済状況に左右され、ギリシャだけの経済状態を反映した形で切り下がるという仕組みにはなっていない。したがって、通貨水準をそのままとする以上、競争力回復には不利であり、そのために必要な歳出削減=生活水準の切り下げ幅は、相対的により大きな厳しいものとならざるを得ない。その一方で、ギリシャの多くの債権者は、ユーロ圏諸国の銀行であることから、ギリシャが破綻すれば、その影響はユーロ圏の他の諸国に波及しかねない。