「くまモン」人気が
外国人観光客を呼び戻した

 ただ、熊本県をかばうわけではないが、今回こういう海外展開に重きを置いた新制度に踏み切るのも致し方ない部分がある、と個人的には思っている。理由は大きく分けると、以下のように3つある。

1.海外への「熊本ブランド」の発信力強化
2.キャラクター価値とブランドの保護
3.PRキャラクターとしての理念に合致

 どういうことか、ひとつずつ説明しよう。まず1つ目は、熊本県への訪日外国人観光客誘致や、海外に対する県産品のブランド向上を図る上で、極めて重要な役割を担っているという点だ。

「海外」の中で、熊本が最もターゲットにしているのは中華圏だ。熊本商工会議所の会頭は「香港は熊本の海外展開で最重要視をしている」(日本経済新聞九州版 2017年11月23日)とおっしゃっている。

 昨年、熊本の観光系企業や経済団体はこぞって香港でPRを行ったが、そこでフックになるのは、やはり「くまモン」だった。たとえば、くまモンTシャツを着て走る「くまモン」マラソンを開催。台湾でも、高雄~熊本間を結ぶチャイナエアラインでは、「くまモン」のグッズやイラストがあふれている。2016年には上海で「KUMA cafe(くまカフェ)」が出店して、こちらも好評だった。

 このような「くまモン」を用いた「海外展開」は、しっかりと結果に結びついている。熊本地震によって県内観光産業は大打撃を受けたが、「くまモン」の人気が高い中華圏を中心に外国人観光客が戻ってきており、17年第3四半期(7月~9月)の数字を見ると、対前年同期比で239.2%、震災前の15年同期比でも101%と、震災前の水準に回復している。

 ちなみに、国内観光客に関しては、対前年同期比は102.7%だが、15年同期比では89.1%。未だに震災前の水準に戻っていない。

 厳しい言い方だが、「復興」という点では、「がんばろう熊本!」と叫ぶわりには、あまり遊びにきてくれない日本人より、今後お金を落としてくれそうな気配があるのはアジア、特に中華圏の客なのだ。このような「上客」をさらに呼び込み、熊本県産物を海外展開する上で、「くまモン」は必要不可欠なのだ。