ムーミンやビッケではなく
ドラえもんかサザエさんならよかった

 さて、試験問題としてはよくできた問題なのだが、炎上理由の1つとなった「それにしても問題になったアニメが世代と合っていないのではないか」という議論については、傾聴に値する。

 アニメの『ニルスの不思議な旅』『ムーミン』『小さなバイキングビッケ』は、いずれも50歳前後の世代、つまり大学教授の世代にとっては子ども時代に見た思い出のアニメなのだが、現在の18歳程度の受験生にとっては「そんなアニメなど知らん!」ということだろう。

 ある世代で熱狂的に支持され広く知られていた作品が、いくら偉大であっても次の世代に認知されていないということはよくある。その世代の大半にとって常識であるという前提で言えば、『機動戦士ガンダム』の「一年戦争編」に喰いつくのは40代、『ONE PIECE(ワンピース)』についていけるのは20代までで、いずれもセンター試験には世代としてふさわしくないだろう。

 音楽で言えば、ビートルズだって60代にとっては常識でも、受験生にとっては古典である。まあ「古典は読んだり聞いたりしておけ」ということであれば、ビートルズの歌詞から出題することを否定するものではないが、常識問題として問うのであれば、もっと若い世代が知っているものを題材にした方がいい。

 その観点で言えば、大学教授の世代も受験生の世代もどちらも知っているアニメで広辞苑にも載っている『サザエさん』『ドラえもん』(第7版より掲載)などの作品がふさわしいだろう。ないしは、再放送を何度やっても視聴率が落ちないジブリ作品などもいい線かもしれない。

 とはいえ「問題:『ハウルの動く城』と『ゲド戦記』のうちイギリスを舞台にした作品はどっち?」などと出題すると炎上は必至である。オトナのお遊びはそこそこにしておいたほうがいいかもしれないが……。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)