基礎トレーニングと応用トレーニング

 さきほどの3つのトレーニングは、いわば土台となる基礎トレーニングです。残念ながらこれだけでは、ビジネスや競技スポーツなどの実践現場では不十分なのです。

 マインドフルネスが良い例ですが、例えば、みなさんがパフォーマンスを発揮しようとする現場は、禅寺やヨガスタジオなどのリラックス空間でしょうか?

 もしそうであれば、さきほどのトレーニングでも十分役に立つことでしょう。しかし、ほとんどの方はピリピリした緊張現場で高いパフォーマンスを要求されているのではないでしょうか?

 そうであるならば、応用トレーニングとして、ストレス環境下でのマインドフルネスのトレーニングも別途必要になってくるのです。これが「(3)適応」にあたります。

 ボクシングでいえば、ミット打ちだけで試合に出られる選手はほとんどいないと思います。基本のパンチを習得したならば、スパーリングを通じてはじめて実践で生きる手技となります。

 どうして、メンタルに関しては、安静空間での基礎トレーニングだけで足りるのでしょうか?

 そんなおかしな話はありません。

 ストレス状況下においても、目の前の仕事やプレーに没頭できるように普段からトレーニングを積んでおけば、「ここ一番」で必ずや大きな力となってパフォーマンスの発揮に役立つことでしょう。