2018年最初の時計フェア、通称ジュネーブサロンと呼ばれるSIHH(Salon International Haute Horlogerie)が1月15日に開幕した。
参加したのはカルティエをはじめ主要18ブランド。新たにエルメスが加わり、一層華やかな展示会となった。サロンでは、2018年の新作ウォッチが各ブランドから発表され、この1年の時計界のトレンドが提示されるのだが、はたして今年はどんな傾向になるのか?主だったモデルを紹介していきたい。
CARTIER
~サントス ドゥ カルティエ ウォッチ
Eric Sauvage©Cartier
マイナーチェンジに成功したサントスに、
自在のストラップ交換という新たな魅力が加わった!
ジュネーブサロン初日に登場したカルティエの目玉は、名作「サントス ドゥ カルティエ」ウォッチであった。新作なので、何かを加えなくてはならない。完成された腕時計をどう調理したのか? 注目されたのだが、お披露目されたのは紛れもない新しい“サントス”だった。
まず“サントス”ほどのビッグネームになると、オリジナルモデルからの大幅な逸脱は許されない。この新作は、1904年当時のパリの幾何学的な美意識にのっとったスクエアフォルムやベゼルを飾る8本のビスなどのデザイン要素はそのままに、うまくディテールを変更している。
変更箇所のひとつは、ベゼル。これまで通りスクエアだが緩やかな丸みを帯びたラインは変わらないのだが、新しいデザインでは、そこからブレスレット(ストラップ)へと流れていく新たな美しいラインが形成されているのだ。
そうすることで、ベゼルのラインは依然として柔らかで、ブレスレットやストラップにつながるラインがとても滑らかになったのだが、全体の印象としてはシャープになっている。そして、それはブレスレット使用のときに、とくに強く感じる。まさにカルティエ・デザインの妙である。
また今回の新作では、もうひとつ注目すべき新機軸がある。それがストラップだ。ブレスレットに加え、カーフスキン、アリゲーターなどの素材で豊富に揃えられたストラップを簡単に交換できる独自の「クィックスイッチ」方式が装備されているのだ。
さらにブレスレットの場合は、サイズを1リンク単位で調整できるようになった。これは工具を使わずに自分自身で調整できるという画期的なものだ。この「スマートリンク」システムは特許出願中だということである。
サイズは基本、LMとMM。ケース素材はステンレススチール(SS)、SSとイエローゴールドのコンビ、イエローゴールド、そしてピンクゴールドの4タイプ。ブレスレットも同様にSS、SSとイエローゴールドのコンビ、ピンクゴールド、イエローゴールドの4タイプとなっている。また、ストラップはカーフスキン、アリゲーターの用意がある。
「9619MC」LMのみに設定されるスケルトンも含めて、全24モデルがラインナップされている。ムーブメントは、スケルトンの2ピースにはそれぞれ手巻き「9611MC」が、他のモデルはすべて自動巻きキャリバー「1847MC」が搭載されている。