ネックレス
カルティエ パリ、スペシャルオーダー、1928年 パティアラのマハラジャ、ブピンドラ・シン殿下のために制作
「カルティエ コレクション」Nick Welsh, Cartier Collection © Cartierプラチナ、ダイヤモンド、ジルコニア、トパーズ、シンセティックルビー、スモーキークォーツ、シトリン

 
 カルティエは、パリのグランパレにおいて2017年3月から行われている2つの展覧会、『ジャルダン(ガーデン)』展と『ムガール皇帝からマハラジャまで:アル サーニ コレクションの宝石』展に、「カルティエ コレクション」より貴重なミュージアム・ピースを特別に貸し出して、訪れた人々の目を楽しませている。

 「カルティエ コレクション」は、これまでの170年にわたるメゾンの作品の歴史的価値を検証、修復などその技術の伝承を目的として、その時代時代の名作、ミュージアム・ピースとなるような名品を中心に集められてきた。それぞれの時代を代表するコレクションは、他では見ることのできない素晴らしいものだ。

 『ジャルダン(ガーデン)』展は、公園や庭園に関連したアートの歴史、さらにこのテーマに基づく展覧会の歴史を俯瞰的な視点から追求する独創的な試みの展覧会。対象とするのは、絵画、彫刻、写真、ドローイング、プレシャス オブジェ、さらに嗅覚などの五感に訴えるインスタレーションなど多岐にわたる。

 この展覧会のキュレーターが「カルティエ コレクション」から選りすぐった17点のジュエリーは、カルティエが最も重視してきたテーマの1つである花をモティーフとしたものを中心に、自然界を表現している。カルティエではその長い歴史の中でデザイン・テーマに植物を繰り返し取り入れ、独自の世界観を創ってきた。

フラワー ブローチ、イヤークリップ
カルティエ、1970年
「カルティエ コレクション」 Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartier
ゴールド、ウッド


 カルティエのこうしたクリエイションは、メゾンに受け継がれる卓越した職人技と、時代ごとの優れた技巧が活かされ、メゾンの創造性に溢れている。そして、このカルティエというメゾンの自然に対する強い思いを、ジュエリーによって具現化したことを具体的に感じられる展覧会となっている。