「いまどこ?」「もうすぐ着くよ」「じゃあ美味いイタリア料理でも食べに行こう!」――。

今春から、「車載フェイスブック」を搭載する新型ベンツSL

 米国メルセデスベンツはラスベガスで開かれているCES(国際家電見本市)で、運転中にも友達や家族とつながることのできる「車載フェイスブック」を発表した。全世界8億人のユーザーがつながるインターネットの世界を、クルマの空間に持ち込んでしまおうというユニークな計画に、来場者から大きな注目が集まった。

 フェイスブックで友人知人がお勧めするレストランや観光名所、買い物スポットに、自分も行ってみる。いまや、そんな毎日が当たり前になっている。それがクルマに移植されることでカーナビの地図情報とも重なってくる。そうなれば、ベンツで走り抜ける街の光景はがらりと変わる。

スマートフォンで御馴染みの人気アプリも一部移植

 新サービスは、現地で今春発売されるベンツSLクラスから対応する。運転席に高精細のディスプレイがあり、フェイスブックでつながる友達との“つぶやき”が表示されたり、地図上にお互いの位置情報が表示される。米通信会社のベライゾン社によりインターネットに接続され、「Google」の地図機能や「Yelp!」といった、ドライブを充実させる6つのアプリが楽しめる。

 またスマートフォンでクルマの遠隔操作ができ、基幹部分のメンテナンスを常時管理、知らせてくれる。このような総合的なシステムを「mbrace2」と名付けて、来年には全車種を対象にしていくというのだ。

 CESの基調講演(現地時間1月10日)には、ダイムラーAG取締役会長兼メルセデスベンツヘッドのディーター・ツェッチェ氏が登場。「ベンツは、Googleより先にシリコンバレーに支店をもっていますから」と冗談を飛ばしつつ、デジタル技術とクルマがさらに統合するべきだと力説した。