FRBがタカ派に転じる
理由はほとんどない

 次に重要なのは29日(月)に個人所得・支出と併せて発表される「個人消費デフレーター」です。これは、個人消費の物価動向を示す代表的な指標で、FRBが物価の状況を観察する際に重要視している指標です。

 個人消費デフレーターが、引き続き落ち着いているかどうかは、先日発表された消費物価指数(CPI)がやや高めに出たため、大いに注目されています。

 もし、インフレが目に見えて上昇し始めると、FRBは利上げなどの金融政策の正常化を急ぐ必要が出てきます。利上げはこれまで緩やかなペースで進められており、市場参加者の多くが今後もゆっくりと進むと考えていますが、それが裏切られることになると、金融市場には大きなサプライズとなる可能性があります。経済にもマイナスの影響がより明確に出るリスクが生じます。

 さて、最後に「金融政策」にも注目したいところです。1月30日(火)と31日(水)にわたって連邦公開市場委員会(FOMC)と言われる金融政策の決定会議が開かれます。三井住友アセットマネジメント調査部では、今月のFOMCでは金融政策の変更は見込んでいませんが、発表される声明文で、FRBの景気やインフレに関する判断がどのように修正されるかは注目が必要だと考えます。

 金融市場では、インフレに対する警戒的な見方を強めることを「タカ派的」と言いますが、仮にFRBがよりタカ派的な姿勢を見せると、金融市場はネガティブに反応すると見られます。しかし、三井住友アセットマネジメント調査部では、インフレが落ち着いて推移すると見ているため、この1月のFOMCでFRBが明確なタカ派に転じる理由はほとんどないと見ています。

 FRBは、これまで緩やかなペースで利上げを行い、また昨年10月からはこれまでの量的緩和で膨張したFRBのバランスシートを徐々に縮小することを始めています。こういった緩やかなペースでの金融政策の正常化は、今後も継続されると見込まれます。そうなると米国経済は、今後も引き続き2%を多少上回る堅調な経済成長が続くと期待されます。

(三井住友アセットマネジメント 調査部長 渡辺英茂)