ツイートは経済政策に影響しない
2年目は議席数と人事に課題

トランプ1年目の経済は未熟さが奏功、今後は保護主義台頭に警戒Photo:UPI/アフロ

 何よりも大きかったのは、トランプ大統領が生み出した雰囲気だ。トランプ大統領が何をツイートしようとも、経済にマイナスな政策は実現しない。そこそこの税制改革が成立し、規制緩和等を通じたビジネスに優しい環境づくりへの期待も維持されてきた。「トランプ政権、恐るるに足らず」。未知数だったトランプ政権の手腕に対する不安感への反動もあり、そんな安心感がビジネス界や市場に広がっている。

 2年目のトランプ政権は、これまで以上に手札が悪くなる。特に議会運営は、1年目よりも難易度が高くなる。残された公約であるインフラ投資の促進等、経済に好ましい政策という観点では、税制改革に続く成果を挙げるのは容易ではない。

 議会運営を共和党に頼るのも限界に近づいている。17年12月にアラバマ州で行われた上院補欠選挙で、共和党は1議席を失った。定数100の上院で、共和党の議席は51となっている。賛否同数の場合、マイク・ペンス副大統領が1票を投じられるとはいえ、2人の議員が造反すれば、もはや過半数は確保できない。

 だからといって、民主党と協力関係を築く環境も整わない。今年11月には、議会の中間選挙が投開票を迎える。多数党の奪取を狙う民主党とすれば、ここでトランプ大統領に協力して、わざわざ共和党に花を持たせる理由はない。むしろ、共和党との対決姿勢を明確にして、支持者の関心を盛り上げる力学が働きやすい。

 人事の入れ替えも、気に掛かる要素である。トランプ政権の人事の特徴は、指名人事が遅れているというだけでなく、辞めていくスタッフが多いことだ。ブルッキングス研究所によれば、トランプ政権の1年目には、主要スタッフの36%が離職しているという。クリントン政権からオバマ政権までの平均が9%弱であるから、いかにスタッフが定着しないかが分かる。

 問題は、これから誰が辞めていくかである。トランプ政権には、保護主義を好むナショナリスト的なスタッフと、グローバルな経済関係を重視するスタッフが混在している。1年目の力関係では、ゲイリー・コーン補佐官を筆頭とするグローバル派が優勢だったが、2年目には、そのコーン補佐官の辞任がうわさされている。