アラフィフの2人に1人はなる
膣の劣化が引き起こす病気
(あれ、これって何?)
ある日の夕方、会社のトイレにしゃがんでいた美由紀さん(仮名・46歳)はギョッとした。股間からプヨプヨとしたピンク色の「何か」が顏を出している。大きさはピンポン玉大。恐る恐る触れてみたが痛くはない。驚きで心臓をバクバクさせながら下着をあげ、帰路につく。股間にボールを挟んだまま歩いているようで、なんとも気持ち悪い。
(そういえばこの頃、やけに頻尿だったなぁ。しかも、おしっこが出そう!と思ってトイレに行くのに、なんか出口でひっかかっているようで、尿が出てくるまで時間がかかる。出始めてからもチョロチョロしか出なくて、量も少ないし。この「ピンポン玉」と関係があるのかしら)
心配だったが美由紀さんは2児の母、悩みに没頭している暇はない。帰宅して、夕食の準備をし、子どもたちと一緒に食べて、片づけて、お風呂に入れて寝かしつけて……までの一連の家事を全うすると、時計はもう10時を過ぎていた。夫の和正さん(仮名・47歳)の帰宅は、11時過ぎになるようだ。
風呂に入り、湯船の中で改めて股間を見てみると、幸い「ピンポン玉」は身体の中に戻っていた。しかし、試しに膣に指を挿入すると、第2関節ぐらいまで入れたあたりで、何かに触れた。(ああ、あいつがここにいるんだ)美由紀さんは深いため息をついた。
パジャマ姿でソファーに座り、スマホで「女性 膣 ピンポン玉」と検索すると、すぐに「骨盤臓器脱」という病名がヒットした。