ビットコインで儲けている人は、どんな人?

 個人税務(所得税)については、国税庁の見解で雑所得(総合課税)ということで落ち着いた。総合課税になると、所得が高い人ほど高い税率を適用する「累進課税」になる。最高税率45%に住民税10%を加えると、ざっくり利益の55%がお上への上納金になる。さらに、他の所得との損益通算不可(他の所得との相殺禁止)、赤字の翌年繰越不可(翌年黒字の場合には即課税)と手厳しいものとなった。将来、いつになるかはまったく不明だが、法改正でFX並みの扱い(利益の20%を分離課税、赤字の3年繰越可など)になる可能性もなくはない。

 仮想通貨の場合、法的に通貨ではないし(2014年政府見解答弁)、かといって金融商品としても微妙な立ち位置にある。とはいえ、これだけ注目されると実務上の諸問題が出るわけで、2017年4月には「改正資金決済法」で「決済手段」として正式に認められた。これを受けて、2017年7月に消費税法では仮想通貨が非課税(サービスや物販ではなく支払手段の譲渡)となった。

 ビットコインで儲けている人はどんな人か?

 詳細は良書『アフター・ビットコイン:仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者』(中島真志著/新潮社)をご覧いただくとして、保有上位1%未満の人が全体の9割のビットコインを保有しているのが実態のようだ。

 他のビジネスモデルも言えることだが、「一番乗りが一人勝ち」の様相で、「億り人」の多くは早期から保有していた人達で、はじめから投機目的で保有していたかは分からない。マイニングを業とする中国人(組織)が圧倒的な存在らしい。マイニング自体は複雑な計算を最初に解いた1人にコインが付与されるので、激戦を勝ち抜くために24時間365日、大型コンピュータをフル稼働させることになる。マイニングには膨大な電力が必要なため、どうしても電気代の安い国・地域が有利となり、中国が圧倒的優位な位置にある。

 昨年の仮想通貨の動きを見て、税務的にヤバいなと思うことがある。

 それは、売買を繰り返して利益が膨らんだ場合や、長期間ポジションを持っていて年末に法定通貨に換算した場合で、さらにポジションを「持ってしまった人」である。ただのバクチなので、二匹目のドジョウを狙うのは自然な行動なのかも知れない。

 仮に昨年の利益が1億円あったとする。納税のための手持ち現金がある人は問題ない。しかしポジションを持ってしまった人は「含み益」に課税されてしまうような状況だ。さらに悪い条件が、今年に入ってからのコイン相場の暴落である。実際に価値が半減してしまっている。

 昨年の税金が5,500万円(ここではシンプルに計算する)になる訳だが、手持ち金のない人は仮想通貨を売却し、それを納税資金にすることになる。1月に法定通貨に換価できたのが5,000万円(売却損5,000万円)だとすると、納税資金が500万円持ち出しになる。しかも今年の売却損は、今年の仮想通貨の利益など雑所得の中でしか相殺できないのである。泣きっ面にハチとはこのことだ。

「税金なんか払いたくない!」という思いには少しだけ同情するが、賛成はできない。「バレないから大丈夫」という書き込みをネットで見ることもあるが、1億円を脱税すれば刑事手続きでの処理になる。マルサ(国税局査察部)事案となるわけだ。「マルサに調査されてしっかり絞られる→検察庁に告発後に検察官調査を受ける→起訴される」。初犯であれば執行猶予がつくケースがほとんどだが、前科者になってしまうのはいただけない。