
仮想通貨マイニング事業のトラブルを巡り、GMOインターネットグループが米企業に対して約900億円の損害賠償を求める訴訟を起こした。グループ創業者で会長兼社長の熊谷正寿氏は、2025年3月の株主総会で取締役再任議案への賛成率が58%と低迷(『【3月総会の「株主賛成率ワースト」ランキング】住友重機械、コカ・コーラ…32社の経営トップが80%割れ!2位GMO熊谷氏の言い分は?』参照)。株主の厳しい視線を浴びる中、熊谷氏がマイニング事件の真相、親子上場批判への反論、そして財閥と宗教に学ぶ独自の経営観について口を開いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
GMO熊谷氏が語る900億円訴訟の内幕
“財閥と宗教”に学ぶ独自経営と組織論
──ダイヤモンド・オンラインで1月27日に配信した記事について「事実誤認がある」と指摘されましたが、訴訟が行われているのは事実でしょうか。
はい、事実です。私たちはマイニング事業において米ウィンストン社と提携しましたが、相手方に契約違反があり、機会損失によって甚大な損害を被ったため、損害賠償を請求しています。
──訴訟の経緯を教えてください。
私たちが始めたブロックチェーン事業は交換所、ステーブルコイン、マイニングの3つがあります。このうちマイニングはマシンを台湾のTSMCと組んで独自に開発し、最初はアイスランドで稼働しましたが電力コストが思ったほど安くなく、能動的に撤退しました。
世界中を回って最も安い電力を求め、ブルネイやロシアまで行って交渉しましたが、一番安かったのが北米でした。北米でウィンストン社と提携し、ルイジアナ州からテキサス州へと移転しながら事業を展開しました。
──そこでなぜトラブルが起きたのですか。
仮想通貨マイニング事業を巡ってGMOが米企業に900億円超の損害賠償を求めて提訴した。熊谷正寿氏が、その真相を次ページで明かす。