銀行実力番付2025#2Photo:artisteer/gettyimages

国内金利の上昇を追い風に、銀行業界全体の本業利益が好調に転じた。ただし、その恩恵は一様ではなく、本業赤字に沈んだ銀行は14行に上った。特集『銀行実力番付2025』の#2では、最新の2025年3月期決算を含む直近4年分の財務データを基に、全国103行の本業利益率ランキングを作成。金利上昇で浮き彫りになった実力差を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

金利上昇で明暗
広がる本業格差

 銀行業界に、久々に活気が戻ってきた。

 長く続いた低金利が転換し、利ざやは拡大。銀行は金利差を収益源とする本来のビジネスモデルへの回帰を進め、預金の獲得にも本腰を入れている。

 だが、金利上昇の恩恵は全ての銀行に平等なわけではない。

 預金金利はどの銀行もほぼ横並びで上昇する一方、貸出金利は銀行の規模や競争力によって差がつきやすい。そのため、預貸金利ざやの改善が進まず、収益が伸び悩む銀行も出てきている。銀行間の収益力格差は、むしろ拡大しているのが実情だ。

 そこでダイヤモンド編集部は、企業や個人向けの貸し出しや金融商品の販売、法人向けコンサルティングなどで得られる手数料収入を銀行の本業と捉え、最新決算を反映した「銀行実力番付2025」の本業利益率ランキングを作成した。

 対象は、メガバンクを含む都市銀行と地方銀行、第二地方銀行に、埼玉りそな銀行とあおぞら銀行を加えた103行。財務データは「QUICK Finer Compass」から取得した。

 ランキングの得点は単年の変動だけに左右されないよう、直近4年分の実績で評価。特に2024年と25年の得点を2倍とし、金利上昇への対応力を重視した。

 さらに、規模の大きい銀行が有利にならないよう、本業利益の絶対額ではなく、総預金残高の2期平均で割った本業利益率を採用している。そのため、大手行より規模の小さい地銀が上位に食い込む可能性も十分にある。

 果たしてベスト1位に輝いたのはどの銀行か。片や、金利上昇の追い風を生かせず低迷を続けるワースト1位は――。次ページで、全国103行の本業利益率ランキングを公開する。