またドジャースは、10社それぞれに対して、数%のエクイティ(株式)と引き換えに数千万円を投資するというオファーを出します。これは断ることも選択肢として認められており、その場合は別の形でwin-winの協業関係を築けるよう個別に交渉が行われることになります。

 そのほか、オフィススペースがチームのクラブハウス内に提供され、光熱費等の諸経費をドジャースが負担します。

 ドジャー・スタジアムで開催された「デモ・デイ」には数百人規模の投資家たちが集い、中にはNBAの元スター選手で現在は投資活動も行っているシャキール・オニールの姿もあったそうです。

選手のリクルーティングに関する
SNSを運営するスタートアップ

 厳選された10社の事業内容は非常に魅力的だった、と長谷川氏は言います。

「たとえば“Appetize”というスタートアップは、スタジアムに着く前に食べ物や飲み物を注文しておいて、到着すると同時に、列に並ぶことなく商品を受け取れるシステムをつくって運用しています。

 また、野球用具のケア用品を扱う“Renegade”のような、比較的アナログな企業もあります。

 特に私がおもしろいなと感心したのは、“Field Level”のサービスですね。ここは、選手のリクルーティングに関するSNSを運営している。先進的なアメリカといえども、アマチュアの選手に対する評価を共有できるようなプラットフォームは未発達なんです。Field Levelはそこに目をつけて、特定の選手の評価が中学時代のコーチから高校、大学のコーチへと引き継がれていくソーシャルメディアをつくりました。その選手がプロになるレベルであれば、獲得を検討する球団にとっても非常に有用な情報になるはずです。

 スカウトの目利きも重要ですが、性格がどうであるとか、チームのカルチャーに溶け込める人間性かというところまではなかなかわからない。過去のコーチたちのコメントを参照できるのはとても魅力的なシステムだなと思いましたね。

 彼らはドジャースから、実際のリクルーティングがどのように行われているのかについての情報を得ることで、より実用的なSNSを設計することができるようになります」